ミオ最近、仕事のスピードについていくだけで一日が終わってしまって。もう少しのんびり働けたらと思うんですけど、それって甘えでしょうか。



甘えじゃないですよ。わたしも夜勤明けは、しばらく使いものになりませんもん。



のんびり働ける職場はありますが、それぞれ別の大変さもありますし、収入も変わります。そこを分けて考えたほうがよさそうです。



では、看護師がのんびり働きたいと思ったときに、どこを目指せて何が変わるのか、順に整理していきましょう。
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この記事を書いた人
ガーコ事務長
眼科クリニックの元事務長。採用面接・労務管理・シフト作成・スタッフ面談を担当し、看護師をはじめとする医療専門職の採用と定着に携わる。クリニックの運営を実質的に支えているのは看護師であるという実感から、看護師の働き方を発信している。
「のんびり働きたい」を具体的な条件に分解する



先に結論をお伝えします。
「のんびり働きたい」という言葉は、人によって中身がかなり違います。まず夜勤、緊急対応、業務のスピード、人間関係の密度、責任の重さの5つに分け、自分がどれから離れたいのかを決めると、行き先が絞れます。ここを曖昧にしたまま「とにかく楽なところ」と探すと、移った先で別の負担に当たってしまいます。
「のんびり」の中身は5つの要素に分けられる
病棟で「余裕がない」と感じるとき、その原因はひとつではありません。
夜勤で生活リズムが乱れているのか、いつ急変が起きるか分からない緊張が続いているのか、記録が就業後にずれ込むほど時間に追われているのか、大人数のスタッフと常に連携しなければならないことなのか、判断の誤りが命に直結する場面の多さなのか。同じ「しんどい」でも、どの要素が重いかで向かうべき職場が変わります。
| 要素 | 病棟で重いと感じる状態 | のんびり方向の状態 |
|---|---|---|
| 夜勤・勤務時間帯 | 月に何度も夜勤があり生活リズムが乱れる | 日勤のみで時間帯が固定されている |
| 緊急・急変対応 | いつ急変が起きるか分からない緊張が続く | 予定された業務が中心で急変が少ない |
| 業務のスピード | 常に時間に追われ記録が就業後にずれ込む | 一人ひとりに時間をかけやすい |
| 人間関係の密度 | 大人数のスタッフと常に連携が必要 | 少人数、または関わる相手が限られる |
| 責任の重さ | 判断の誤りが命に直結する場面が多い | 生活支援や予防など緊急度の低い関わりが中心 |
この表を使って、自分の「のんびりしたい」がどの行に当たるのかを、1つか2つに絞ってみてください。5つ全部から一度に離れる必要はありません。
自分がどの要素から離れたいかを決める
たとえば夜勤の生活リズムだけがつらいのであれば、日勤のみの病棟や外来という選択肢が先にあります。
業務のスピードや記録の多さがこたえているなら、患者数の多い急性期の外来より、訪問看護や無床クリニックのほうが落ち着いて働けます。急変対応の緊張や責任の重さから離れたいなら、健診や産業看護職のように、緊急度の低い関わりが中心の分野が合います。優先順位をつけておくと、求人票を見たときに「これは自分の求めているのんびりではない」と早めに判断できます。
逆に、複数の要素を一度に変えようとすると、行き先の候補がほとんどなくなってしまいます。
夜勤なし、急変なし、少人数、責任も軽い、収入は下げたくない、という条件をすべて満たす職場はまず見つかりません。最優先の1つと、できれば譲りたい2つ目までを決めて、それ以外は「妥協できる範囲」として扱うと、現実的な選択肢が見えてきます。
「病院が合わない」のか「看護が合わない」のかも見ておく
もうひとつ切り分けておきたいのが、しんどさの原因が「病院という場所」にあるのか、「看護の仕事そのもの」にあるのか、という点です。
病院の環境、つまり夜勤、シフト、規模の大きさ、部署異動などが合わないだけなら、病院以外の看護職に移ることで落ち着く可能性が高いです。
一方で、人の体に触れること自体や、命に関わる責任の重さが負担なのであれば、相談系や事務系、あるいは看護から一歩離れた仕事まで視野に入れたほうが、結果的に安定します。ここを曖昧にしたまま「とりあえずのんびりできそうなところ」と動くと、行った先でまた同じ壁に当たることがあります。
「のんびり」と「やりがい」のバランスも先に考える
のんびりした職場は、刺激が少ないぶん、人によっては物足りなさを感じることがあります。
病棟で身につけた手技を使う機会が減り、「このままでいいのか」と不安になる人もいます。どのくらいの手応えが欲しいのか、看護師としてのスキルをどこまで保っていたいのかも、動く前に言葉にしておくと、行った先で「暇すぎてつらい」という逆方向のミスマッチを避けられます。
のんびりは目的ではなく手段です。何のために余裕をつくりたいのか、たとえば家庭の時間なのか、体調の回復なのか、勉強の時間なのかをはっきりさせておくと、職場選びの軸がぶれにくくなります。



わたしの場合は、夜勤よりも、急変のときの張り詰めた感じが家に帰っても抜けないことのほうがきついです。



それなら、行き先の候補はかなり絞れますね。夜勤なしの職場すべてではなく、急変対応の少ない分野を中心に見ていくとよいです。
のんびり働きやすい職場7タイプと特徴


夜勤が少なく、急変対応の頻度が低く、業務が予定に沿って進みやすい職場を7つに整理します。ただし、どれも「のんびり」の方向性が少しずつ違いますので、前の章で絞った要素と照らし合わせながら読んでください。
外来・無床クリニック
診察補助、処置、採血、電話対応などが中心です。入院設備がないぶん夜勤がなく、勤務時間帯が固定されているため、生活リズムを整えやすい働き方です。一方で午前の外来は混雑しやすく、その時間帯だけは慌ただしくなります。院長が一人で方針を決めている職場が多く、院長との相性が働きやすさを大きく左右します。可能であれば見学して、スタッフ同士の雰囲気を見ておくと安心です。
健診・人間ドック
採血、身体計測、問診補助、検査案内などを担います。一日の流れが決まっていて、受診者の急変は起こりにくいため、精神的な緊張は病棟より小さくなります。ただし午前中は採血の件数が集中し、立ち仕事が続きます。健診センターに常勤で入る形と、繁忙期に単発で応援に入る形があります。
介護施設・デイサービス
介護老人保健施設や特別養護老人ホーム、デイサービスなどで、服薬管理、健康観察、処置、看取りの対応などを行います。治療の場ではなく生活の場のため、時間の流れが緩やかです。その反面、看護師の人数が少なく、医師が常駐しない環境で判断を任される場面が増えます。
訪問看護(オンコールなしの事業所)
利用者の自宅を訪問し、療養支援や medical な処置を行います。1件ごとに時間をかけて関われるのが魅力です。ただしオンコール当番のある事業所が多く、この有無で生活の負担がまったく変わります。のんびり働きたい場合は、日中の訪問のみでオンコールなし、と明記された求人を選んでください。
産業看護職・健康管理室
一般企業の健康管理室や健保組合で、健診の事後措置、保健指導、メンタル不調者の面談調整などを担います。日勤のみ、土日祝休みという働き方がしやすく、長く続けやすい分野です。一方で採用枠は1名から数名と少なく、臨床経験3年程度を条件にする求人が多く見られます。
保育園・学校の医務室
保育園の園看護師や、学校の医務室に近い業務です。園児や児童の健康管理、けがの応急処置、感染症対応などを行います。子どもの生活時間に合わせるため勤務時間が規則的です。ただし看護師が園に1名という配置が珍しくなく、相談相手がいない環境になりがちです。
単発バイトでペースを自分で決める
正規の転職ではなく、単発バイトや派遣で、健診の応援や施設の欠員補充など、必要なときだけ働く方法です。
働く日を自分で決められるため、生活のペースを最優先にできます。収入は時給ベースで安定しにくく、副業として組み合わせる場合は勤務先の就業規則の確認が必要です。常勤を続けながら月に数回だけ入る使い方もできるので、いきなり働き方を全部変えることに不安がある人は、ここから試すと影響を小さく抑えられます。
7タイプを「臨床度」で並べ直すと選びやすい
上の7つは、看護師としての手技をどれくらい使うかという軸で並べ直すと整理しやすくなります。
手技を多く使う順に、介護施設・デイサービス、訪問看護、外来・無床クリニック、健診・人間ドック、保育園・学校、産業看護職・健康管理室、と並びます。単発バイトはどこにでも組み込める、いわば調整弁のような位置づけです。臨床度が高い職場は、これまでの経験がそのまま通用する代わりに、医師がいない場面での判断という負担が形を変えて残ります。臨床度が低い職場は、負担の質が大きく変わる代わりに、手技から離れることへの割り切りが必要になります。どちらが良い悪いではなく、自分がどの負担なら受け入れられるかで選ぶ、という順序が迷いを減らします。
| タイプ | 主な業務 | のんびりしやすい点 | 注意したい点 |
|---|---|---|---|
| 外来・無床クリニック | 診察補助、処置、採血 | 夜勤がなく時間帯が固定 | 午前は混雑、院長との相性が出やすい |
| 健診・人間ドック | 採血、計測、問診補助 | 流れが決まり急変が少ない | 午前の件数が多い、立ち仕事 |
| 介護施設・デイサービス | 服薬管理、健康観察、処置 | 生活の場で時間が緩やか | 看護師が少人数で判断を任される |
| 訪問看護(オンコールなし) | 自宅での療養支援 | 1件ごとに時間をかけやすい | 移動の負担、オンコール有無の確認 |
| 産業看護職・健康管理室 | 健診事後措置、保健指導、面談 | 日勤のみ・土日祝休みが多い | 採用枠が少なく経験を求められやすい |
| 保育園・学校 | 園児児童の健康管理、応急処置 | 生活リズムが整いやすい | 看護師1名配置になりやすい |
| 単発バイト | 健診応援、施設の補充など | 働く日を自分で決められる | 収入が安定しにくい、就業規則の確認 |
夜勤や急変から距離を置ける職場の全体像は、看護師が病院以外で働く選択肢でも臨床度という軸で整理していますので、あわせて見比べてみてください。
「のんびり=楽」ではない:それぞれに別の負担がある
のんびりした職場には、病棟にはなかった別の負担が現れます。移ってから「思っていたのと違う」とならないよう、先に知っておきましょう。どの負担なら受け入れられるかで選ぶ、という順序で考えると迷いが減ります。
少人数配置は休みにくい
クリニックや施設、保育園は、看護師の人数が少ない職場です。スピードや夜勤の負担は軽くなりますが、急に欠員が出たときの負担が一人に集中しやすく、有給休暇も周りと調整しないと取りにくくなります。人数が少ないことは、静かさと引き換えに、休みの取りにくさを生むことがあります。
単調さがつらくなる人もいる
健診やコールセンターのように、同じ作業を繰り返す仕事は、慣れるまでは楽に感じても、数か月経つと単調さがこたえてくる人がいます。病棟の忙しさが嫌で移ったのに、今度は時間が経つのが遅く感じてつらい、という声もあります。刺激の少なさに耐えられるかは、性格による部分が大きいです。
スキルが落ちる不安との付き合い方
臨床から離れる時間が長くなると、「病棟に戻れなくなるのでは」という不安が出てきます。免許は有効なままですので戻ること自体はできますが、ブランクとして扱われる求人はあります。戻る道を残しておきたい場合は、月に数回だけ単発で臨床の現場に入り、手の感覚を保つ、という組み合わせ方もあります。
収入が下がることが多い
これは次の章で詳しく扱いますが、日勤のみの職場では夜勤手当がなくなるため、月々の手取りが下がりやすいです。のんびり働くことと収入を保つことは、多くの場合トレードオフの関係にあります。
通勤や家庭の状況によっては負担が増えることもある
訪問看護のように移動が多い仕事は、天候や交通事情の影響を受けます。健診の応援は会場が日によって変わることがあり、通勤時間が読みにくくなります。院内で完結する病棟に比べて、職場の外で過ごす時間が増える働き方は、体力的な負担がかえって大きくなる場合があります。求人票の勤務地だけでなく、実際の移動範囲や直行直帰が認められるかどうかも、面接で確認しておくと入職後のズレが減ります。
| タイプ | 代わりに発生しやすい負担 |
|---|---|
| クリニック | 少人数で有給を取りにくい、院長の方針に左右される |
| 健診 | 同じ作業の繰り返し、繁忙期と閑散期の差 |
| 介護施設 | 看護師が自分だけで相談相手がいない |
| 訪問看護 | 一人で訪問先に入る緊張、天候や交通の影響 |
| 産業看護職 | 同職種が社内にいない、成果が見えにくい |
| 保育園・学校 | 医療から離れる焦り、保護者対応 |



のんびりしたいけど、暇すぎて時間が経たないのもきつそうですね。わたしはたぶん、単調な作業だと落ち着かなくなります。
のんびり働くと収入はどう変わるか


収入は必ず下がるわけではありませんが、夜勤手当が減る影響は大きく、日勤のみの職場では月々の手取りが下がりやすいです。求人票の基本給だけを見て判断すると、入職後に総支給額の差に驚くことがあります。
病院の給与は夜勤手当で膨らんでいる
厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査(2023年調査時点)によると、看護師の平均年収はおよそ500万円台前半で、この金額には夜勤手当が含まれています。夜勤の回数が多い人ほど、この手当が総支給を押し上げています。日勤のみの職場に移ると、この夜勤手当がまるごとなくなるため、基本給が同じくらいでも、月々の手取りは下がることがあります。
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html
タイプ別の収入イメージ
あくまで傾向ですが、目安を整理します。外来や無床クリニックは、夜勤手当が消えるぶん下がりやすく、その後も大きくは変わりにくい水準です。健診は、やや下がるものの、役割が増えると少し戻る余地があります。介護施設は、病院と同程度からやや下がる水準で、管理者になると上がる余地があります。産業看護職は、初年度は下がりやすいものの、賞与や昇給の仕組みが安定していて、数年かけて戻る例があります。単発バイトは時給次第で高いこともありますが、件数に左右されて安定しにくいです。
| タイプ | 病院と比べた初年度の収入 | 数年後の見通し |
|---|---|---|
| 外来・無床クリニック | 夜勤手当のぶん下がりやすい | 大きくは変わりにくい |
| 健診・人間ドック | やや下がる | 役割が増えると少し上がる余地 |
| 介護施設・デイサービス | 同程度〜やや下がる | 管理者になると上がる余地 |
| 産業看護職 | 下がりやすい | 昇給・賞与で戻る例あり |
| 単発バイト | 時給次第で高いことも | 件数に左右され不安定 |
下げ幅を小さくする工夫
収入の下げ幅を抑える方法はいくつかあります。
ひとつは、常勤の転職と単発バイトを組み合わせて、月に数回の勤務で不足分を補う方法です。もうひとつは、資格手当のつく認定資格を病院にいるうちに取っておく方法です。産業看護職のように「経験3年」を目安にする分野は、あと半年から1年で条件を満たせるなら、そこまで待ってから動くほうが、初年度の年収も選考の通りやすさも変わってきます。求人を比較するときは、基本給、各種手当、賞与の実績、退職金の有無の4点をそろえて並べると、見かけの月給に惑わされずに済みます。単発バイトを組み合わせる場合は、勤務先の就業規則を確認してください(看護師の副業禁止と就業規則の関係を参照してください)。



やっぱり夜勤手当が消えるのは大きいですね。わたしなら、最初の1年は単発を月2〜3回入れて、落差をならします。
辞める前に、今の職場でペースを落とす選択肢
転職の前に、今の職場で働き方を軽くできないかを確認する価値があります。異動や勤務形態の変更で解決することもあり、その場合は環境を大きく変えずに済みます。
夜勤回数を減らす相談
夜勤の生活リズムだけがつらいのであれば、師長に夜勤回数の調整を相談するという選択肢があります。
人員の状況によっては難しいこともありますが、体調や家庭の事情を理由に減らしている人は珍しくありません。まずは希望を口に出しておくと、次のシフト作成で考慮されることがあります。
常勤から短時間勤務・パートへ
収入より時間を優先したい場合、同じ職場で常勤から短時間勤務やパートに切り替える方法があります。転職せずに勤務時間だけを短くできるため、人間関係や業務の慣れをそのまま活かせます。社会保険の扱いや賞与の有無が変わるので、条件は事前に確認してください。
部署異動という選択肢
職場自体は続けたいけれど今の部署がつらい、という場合は、外来や健診部門、地域連携室など、比較的落ち着いた部署への異動希望を出す方法があります。異動には時期があるため、面談のタイミングで早めに伝えておくと通りやすくなります。
休職して立て直す
心身の余裕がなくなっているときは、転職活動そのものが負担になります。いったん休職して体調を整えてから、落ち着いて次を考えるほうが、結果的に良い選択ができることがあります。
心身の不調が続いている場合は、転職より先に受診や休職の相談をご検討ください。働き方の見直しは、体調が落ち着いてからでも間に合います。
| 方法 | ハードルの高さ | 向いている人 |
|---|---|---|
| 夜勤回数の調整 | 低〜中 | 夜勤だけがつらい人 |
| 短時間勤務・パート転換 | 中 | 収入より時間を優先したい人 |
| 部署異動の希望を出す | 中 | 職場自体は続けたい人 |
| 休職して立て直す | 中〜高 | 心身の余裕がなくなっている人 |
採用側の視点と、のんびり働ける求人の探し方
ここは採用する側の視点も交えてお話しします。採用側が気にするのは、なぜペースを落としたいのかを前向きに説明できるか、そして少人数の職場でも動けるか、の2点です。求人は「看護師」ではなく職種名で探すと見つかりやすくなります。
「のんびりしたい」はそのまま言うと弱い
面接で「のんびり働きたくて」とだけ伝わると、面接官は「意欲が低いのでは」「すぐ物足りなくなって辞めるのでは」と身構えます。嘘をつく必要はありません。同じ事実でも、これから何をしたいかの側から話すと、印象が変わります。
| 心の中の本音 | 面接で伝える言い方の例 |
|---|---|
| 夜勤がつらい | 生活リズムを整えて長く働きたいので、日勤中心の職場を探しています |
| スピードについていけない | 一人ひとりに時間をかける関わり方をしたいと考えています |
| 急変対応の緊張が抜けない | 予防や健康管理など、悪くなる前の関わりに軸を移したいです |
| 責任の重さがこたえる | 生活を支える看護に、じっくり取り組みたいと思っています |
求人票で見るべき条件の優先順位
のんびり働ける求人を探すときは、条件に優先順位をつけておくことが大切です。夜勤の有無、時間帯の固定度、看護師の配置人数、残業の実績、賞与の実績、の順で確認していくと、迷いにくくなります。すべてを満たす求人は多くありませんので、どれを最優先にするかを先に決めておいてください。「残業ほぼなし」と書かれていても実態は違うことがあるため、面接で直近の平均残業時間を具体的に聞くことをおすすめします。
人材紹介を使うときの注意
看護師向けの人材紹介サービスに登録すると、多くの場合、担当者から電話で連絡が入ります。希望条件のヒアリングが目的で、ここで具体的に伝えないと、条件の合わない求人ばかり届きます。登録時の備考欄に「日勤のみ」「急変対応の少ない職場を希望」「少人数でも可」など、はっきり書いておくと、やり取りが噛み合いやすくなります。複数のサービスを使う場合は、同じ求人に別々の経路から応募する二重応募に注意してください。
在職中に動くときの段取り
在職中に転職活動をする場合、面接日程の調整が最大の障害になります。のんびり働ける職場の面接は日勤帯に設定されることが多いため、有給の残日数を先に確認し、月に何日動けるかを決めてから応募数を調整すると、無理のない進め方になります。複数の分野が気になるときは、思いついた順に受けるのではなく、条件のゆるい分野を先に受けて面接の話し方を整え、本命は後半に置くと、準備の整った状態で本命に臨めます。志望動機は分野ごとに作り直す必要があるため、2〜3社ずつ山を分けて進めるのが現実的です。
単発で試してから決める
いきなり常勤で転職するのではなく、単発バイトで健診や施設を1〜2回だけ経験してみると、日勤だけの働き方が自分に合うのかどうかが見えてきます。合わないと分かることも収穫です。臨床から少し離れた働き方まで視野を広げるなら、看護師資格が使える珍しい求人も候補として参考になります。試してみて「やっぱり臨床のスピード感のほうが自分には合っていた」と気づくこともあり、それも大切な判断材料です。



採用する側から言わせてもらうとね、ペースを落としたいこと自体はマイナスではありません。気になるのは、その説明が整理されているかどうか、それだけです。
よくある質問
のんびり働きたいと思うのは甘えですか?
甘えではありません。長く続けるために負担を調整するのは一般的な選択です。まず夜勤・緊急対応・業務のスピード・人間関係の密度・責任の重さの5つのうち、どれから離れたいのかを1つか2つに絞ると、必要な変化が具体的に見えてきます。
のんびりした職場に移ると収入はどのくらい下がりますか?
職場差が大きいですが、夜勤手当がなくなる影響は大きく、日勤のみの職場では月々の手取りが下がりやすいです。求人票では基本給・各種手当・賞与実績・退職金の4点をそろえて比較してください。常勤に単発バイトを組み合わせて下げ幅をならす方法もあります。
ブランクなしで、いきなり産業看護職に移れますか?
産業看護職は臨床経験3年程度を条件にする求人が多く見られます。健診やクリニックなど、経験年数の条件が緩めの職場から入り、経験を積んでから移る方法もあります。健診や保健指導の経験があると評価されやすいです。
のんびりした職場は本当に楽ですか?
夜勤や急変の負担は軽くなりますが、少人数配置で休みにくい、業務が単調に感じる、相談相手がいないなど、別の負担が出ます。どの負担なら受け入れられるかという基準で選ぶと、移ったあとの後悔が少なくなります。
まとめ:のんびり働きたいを現実的な選択にするために


「のんびり働きたい」は、5つの要素のどれから離れたいかを決めることから始まります。行き先を7タイプで見比べ、それぞれに現れる別の負担と、収入の変化を確認する。そのうえで、今の職場でペースを落とせないかも並行して考える。この順番で進めると、勢いだけで動いて後悔する事態を避けられます。



要素に分けるのは分かりました。でも、どれを選んでも別のしんどさがあると聞くと、結局どこにも居場所がない気がして。



どこにもない、ではなく、どの負担なら引き受けられるかを選ぶ、という話です。全部が軽い職場はありませんが、今より軽い職場はあります。



わたしなら、まず夜勤なしの単発を月2回くらい入れて、日勤だけの生活がどんな感じか試します。合わなければ戻せますし。



いきなり全部変えなくていいんですね。少し気持ちが軽くなりました。



そうです。面接をしていた頃の経験の範囲でも、条件を整理してきた人は話し方が落ち着いていました。今日できるのは、離れたい要素を1つ選んで、その条件で求人を眺めてみることです。それだけで十分な一歩ですよ。



そういえば事務長、のんびりつながりで。近所にできたカフェ、平日限定でから揚げ定食が名物らしいですよ。今度お昼に行きません?



のんびりした話から、なぜわたしの身が危うくなる方向へ進むのでしょうか。



カホさん、事務長の前でから揚げとチキンは禁句だと、何度お伝えすればいいんでしょうね。次はパスタのお店にしましょう。









